- Saito Shigeru
自ら気づくことへの期待
「教えるのはたやすい。気づかせるのには苦労する」 教えてしまえば、とりあえずは到達したように見える。 一見、できるようになったかに見える。 生徒にも指導者にも。 でも、定着はしていない。 自分の頭で考えていないから。 自ら獲得した理解ではないから。 だから、次回同じような問題に直面した時に、同じように立ち止まってしまう。 そして、前回と同じように指導者の助けを求める。 自分で到達したものしか本物にはならない。 たとえ教えてもらったものでも、もう一度自分の力で到達してみることが大切。 指導者の仕事は気づかせること。 生徒が自分で動き、気づくことの道筋を作ってやること。 あくまでも手を使い、頭を使い、動くのは生徒。 自分自身で気づき、自分の足で到達したものだけが本物だ。 自らの経験は印象が強く、情報量が豊富なのだ。 「生きている実感」に裏打ちされた学習と言っても大げさではない。